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ドアスコープの有無は鍵開け時に重要です
玄関の鍵開けを鍵屋に頼む場合、ほとんどの鍵屋に聞かれるフレーズがあります。それが「ドアスコープ(のぞき穴)」はありますか?」です。当店トラブル救急車でも例外なく、玄関の鍵開けのお問合せをもらった際には聞くようになっています。
その理由ですが、昨今、玄関の鍵は防犯性が高いものが多く、鍵穴からピッキングで開けられるものはとても少ないです(鍵の種類などにもよりますが、開けられるのは1~2割くらいです)。それだけ防犯性の高い鍵が普及しているということで喜ばしいことではあるのですが、鍵開けを頼むお客さまにとっては「簡単に開けられない=作業代金が高くなる」ということになり、嬉しくないことにもなります。
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サムターンを回しての特殊開錠
玄関の鍵穴からピッキングで開けられない場合、現在主流となっている開け方がドアスコープから開ける方法です。この開け方は、ドアスコープを取り外してそこからハウスオープナーという専用工具を入れ、ドアの内側にあるサムターン(ツマミ)を回して鍵を開ける、という方法です。使う工具の名標から「ハウスオープナー開錠」とか「ドアスコープ開錠」、「サムターン開錠」などと呼ばれています。
玄関ドアにドアスコープがあれば、ほとんどの場合この開け方で開けることができます。そのためにドアスコープの有無をお客さまに聞くようにしているのです。ただし昨今の戸建てではドアスコープがない家が多いです。門扉のところにモニターなので来客を確認する造りになっているものが多くなっています。なので、ドアスコープが付いているのは門扉や玄関前に敷地がないマンションやアパートなどの集合住宅がほとんどです。
ドアスコープがあれば大抵のものは鍵開け可能ですが、100%ではありません。付いている錠前の種類や内側のサムターンの形状、ドアスコープの種類、位置などでこの開け方ができない場合もあります。そこは現場で作業員が判断することになります。また、すべての作業員がドアスコープから開けるためのすべての工具を持っているわけではありません。ハウスオープナーは持っていても、サムターンが防犯サムターンだった場合は、専用治具やカメラなどが必要です(※防犯サムターンについては、こちら「防犯サムターンとは?」を参照してください)。
そのため、お客様から電話をもらった際にはドアスコープの有無や内側のサムターンの形状、ドアポストの有無(ドアにポストが付いている場合に同じような工具を使ってサムターンを開けることもあります)など、鍵形状などお客様が覚えている範囲で情報をお聞きします。その内容によって、対応できる作業員をお調べするのです。ヒアリングした現場状況に応じて、早さだけでなく対応可能な作業員を手配するようにしています。
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ドアスコープが無い場合の開け方は?
玄関の鍵穴から開けられず、ドアスコープやポストもドアにない場合はどうやって開けるかというと、鍵穴をくり抜いて開ける破壊開錠(ドリリングということも)かクレセント開錠などで開けることになります。
破壊開錠した場合は、もうその鍵穴は使えなくなるため、新しい鍵穴への交換が必要になります。クレセント開錠はサッシのクレセントを開ける作業なので、サッシ部分に雨戸やシャッターが閉まっていたらできません。さらに高層階だった場合も当然工具が届かないので作業できません。1階もしくはハシゴや脚立を持っている場合でも2階までが限界です。
※これら鍵開けの方法はこちらのページ(「鍵開けってどうやるの?」)でも紹介しているので、気になる方は参照してみてください。ただこちらのページで紹介している開け方は、鍵屋がやらない不正開錠や犯罪手口で開ける方法も一部紹介しているので、絶対に真似しないでください(笑)。犯罪なので警察に捕まります。
ドアスコープについて
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ドアスコープの機能と普及の経緯
「ドアスコープ」は玄関ドアに設置された小さなレンズのことで「のぞき穴」といったほうがわかりやすいかも知れません。他にも「ドアビューアー」とか「ドアアイ」などと呼ばれることもありますが、総じてすべて同じものを指します。
ドアスコープのレンズは室内から外部を広範囲(160度~200度)で確認できるよう設計されており、住まいの安全を守る第一線の監視システムと言えるかも知れません。
日本の古い住宅は引き戸が主流でしたが、昭和30年代の高度成長期以降に団地や洋風の住宅が増えたことでドア(開き戸)が増えていきました。そのようなドアに付いていたのは長方形の小さなガラス窓で、来客者が来た時などはその蓋部分を開けて来客者や外部の様子を確認していました。
1965年に杉田エース株式会社のドアスコープ製品が全国防犯協会連合(https://www.bohan.or.jp/)の推薦を受けたことで急速に普及していきました。防犯性やデザイン、機能性などが認知されて、その後は大手ドアメーカーの製品にもドアスコープが採用されたことで、ドアにドアスコープが付いていることは当たり前のようになります。
ドアスコープの種類
一般的にドアスコープを取り付けるためのドアの穴は直径は12mmが多いですが、ドアの厚さによってそこに付けるドアスコープの長さは28~40mmのものが多いです(公団用のドアスコープは短いものが多いです)。ドアスコープは小さなパーツですが、このようにサイズ違いがあったり、デザインや機能性などによって種類はいくつかあります。ここではよく見る代表的なドアスコープをいくつか紹介します。
光学式ドアスコープ
もっとも一般的なレンズを覗き込むタイプのドアクローザーで、光学式とかスタンダードタイプと言われています。メーカーや種類で微妙に大きさなども変わりますが、料金はリーズナブルです。安いものだとネットで1000円前後で購入できるものもあります。価格は安くても性能的には問題はありません。ドアスコープ本体の長さはドア厚で調整できるよう28~42mmくらいのものが多いです。
材質は黄銅製でクロームメッキされているものが一般的です。視野角は160~200度のものが大半です。また、ドアから少し離れた位置からでも外の様子が見えるよう設計された、高性能なレンズが付いたものもあります。
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ドアスコープカメラ(デジタルドアモニター)
光学式ドアスコープが直接レンズから外を見るアナログなのに対し、ドアスコープカメラ(デジタルドアモニター)は、ドアスコープがカメラになっているものです。要はドアスコープのレンズを通した映像をカメラで捉えて液晶ディスプレイに表示する装置です。既存の光学式ドアスコープから取替えできるものが多く、ドアに加工などをする必要もないものは賃貸物件でも使うことができます。
機能やデザインは製品ごとに違いがあり、Wi-Fi環境があればスマホと連動させて遠隔操作でリアルタイムに見ることができるものもあります。高齢の両親が住んでいる場合や自分が不在時の訪問者の確認など、とても便利な使い方もできます。高性能レンズを搭載したフルハイビジョン映像で映し、ケーブルでつなぐことでディスプレイに表示させたり映像を録画することもできます。
値段も機能などでピンキリなため、興味がある人はネットなどで調べてみるといいでしょう。かなり便利な機能などもあるドアスコープカメラ(デジタルドアモニター)ですが、一般家庭ではそこまでの必要性がないのか普及率はさほど高くありません。来客が多い店舗やシェアハウスなどで使われることが多いような気がします。
デジタル式のメリットを生かして、ボタンを押したから録画を開始するだけではなく、センサーが動きを検知した際に自動で録画・保存するドアスコープカメラもあります。不在時や深夜の訪問者・不審者の画像を証拠として残すことが可能です。ストーカー被害に悩んでいる人などにはオススメです。
ドアスコープカメラとは違いますがパナソニックのVS-HC400はドアの上部に掛けるだけの取付けが簡単なワイヤレスカメラもあります。ドアに加工も不要なので賃貸物件でも問題なく取り付けできます。不審者対策やドアスコープを覗いての確認がイヤな場合には検討してみてください。
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リバースドアスコープ
リバースドアスコープという名称の特殊なドアスコープがあります。特殊な単眼鏡で「外側からドアスコープに押し当てると家の中が見える」というものです。ドアに固定されているドアスコープではなく、ドアスコープと同じような大きさをした「ドアスコープから部屋の中を逆に覗くための」レンズです。部屋の中の人の安否確認や帰宅時に部屋の中を確認してから家に入る、といった使い方で作られたもののようですが、不正利用されることが多いと言われています。
具体的な被害数などの数値はありませんが、不正侵入しようとするものやストーカーが部屋の中の様子や住人の行動などを確認することに使われる可能性も否定できません。第三者にこのリバースドアスコープを使って部屋の中を覗かれないようにするための対策としては、内側にドアスコープカバーを付けたり、蓋をするなどすれば防げます。玄関ドアから部屋の中が見えるワンルームマンションのような部屋の造りだったり、女性の独り暮らしをしている場合は、すぐにでも対策をするようにしてください。
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蓋(カバー)付ドアスコープ
従来の光学式のドアスコープに、内側からレンズを覆うための蓋がついたタイプです。一見シンプルですが、プライバシー保護において極めて重要な役割を果たします。前述したリバースドアスコープ対策にも役立ちます。
蓋付きドアスコープのもう1つの利点は、内部の「光」を知られないことです。在宅時の夜間など、室内で電気がついていると外側のレンズから「光の漏れ」が見えることがあります。その点この蓋付ドアスコープなら、光が漏れないので中に人がいるかどうかを外部に悟らせない効果があります。
この蓋付ドアスコープは、ドアスコープに蓋が付いたものですが、蓋だけで購入して既存のドアスコープに付けられるパーツもあります。金額的にもリーズナブルなうえ、自分で簡単に交換・取付けができるので、気になる方は蓋付きのドアスコープにしてみてください。
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その他
機能面ではなくデザインにこだわったものもあります。ドアスコープを兼ねたものだったり、ドアスコープの周囲をに取り付けるものなど様々です。
外見ではどれも同じように見えるドアスコープを、差別化したりオシャレにしたいという方には良いかも知れません。
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ドアスコープの取外し&交換
ドアスコープの交換タイミング
ドアスコープの外側は、屋外にさらされているため雨や日差しの影響を受けます。そのため金属部分が錆びたり、レンズ部分が傷ついたり汚れたりして見えにくくなってきます。軽微な汚れなら掃除をすればキレイになりますが、小さな傷などが付いている場合には修復はできないため、ドアスコープごとの交換をした方がいいでしょう。光学式タイプのドアスコープなら、簡単に交換できます。
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ドアスコープの取外し
一般的な光学式ドアスコープを取り外すには、内側(室内側)に切れ込みのような溝があるので、そこにコイン(溝の大きさによって1円玉や10円玉の硬貨を使用)をあてて反時計回りに回すと取外しできます(取付け時は時計回りに回します)。
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基本的に上記の手順で内側から簡単に取外せますが、工具などを使えば外側からも取外しすることができます。鍵屋がドアスコープから専用工具などを入れて内側のサムターンを回して開ける特殊開錠をおこなう場合は、ドアが開いていないため外からドアスコープを外すことになります。
最近では、専用工具を使っても外部からドアスコープが取外せないものが増えています。空転防止機能(外から回しても空回りする)や緩み防止機能がついたドアスコープがそれらに該当する防犯性の高いドアスコープです。
不正侵入だけでなく、ストーカーや盗撮目的、嫌がらせなどでドアスコープを取外しされないための対策品です。こういった被害を警戒している人や未然に防ぎたいと考えている人は、このようなドアスコープに交換するのもいいでしょう。
ドアスコープを自分で交換
ドアスコープはホームセンターやネットで購入できます。光学式のものなら2000円以内で買えるものも多いので、事前に調べてみるといいでしょう。交換自体も簡単で、前述した「ドアスコープの取外し」と逆の手順で取り付けるだけです。専用工具も必要ありません。ただし注意点として、交換するドアスコープを購入する際は以下のサイズを事前に測っておきましょう。
・ドアの厚み
・穴の直径
ドアスコープは汎用タイプのものが多いので交換できるものが多いですが、公団用だったりサイズが微妙に違うものがあるので、上記のサイズを確認して購入するようにしてください。
鍵屋によるドアスコープの破壊交換
ちなみに鍵屋が玄関の鍵開けをおこなう際に、このような取り外しができないドアスコープだった場合、専用工具などで「ドアスコープを破壊」します。ドアスコープがあると「専横工具が入れられない=サムターンが回せない=玄関の鍵を開けられない」からです。
もちろんドアスコープを破壊して玄関を開けた後は、内側から新しいドアスコープを取り付けますので安心してください。
作業員は色やドア厚に対応する複数のドアスコープを在庫しているので、よほど特殊なものでない限り新しいドアスコープを取り付けることができます。ただし、まったく同じドアスコープを取付けできるかはわかりません。もともと付いていたドアスコープや作業員の在庫次第だったりするからです。その場合は、一時的に取り付けられるものを付けた後、ご自身で交換するなどしていただいています。
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ドアスコープを破壊すると言っても、簡単に破壊することはできません。
そのため、鍵屋では専用工具を使って破壊・取り外しをします(※破壊時に玄関ドアの内側にドアスコープのレンズの破片が多少飛び散ることもあります。もちろんそのような破片は作業員が清掃します。ただし玄関に靴などがあって、その中に入ってしまう可能性もあります。お客さまによっては、玄関にある履物や靴の中を作業員に触れて欲しくない方もいます。その場合はお客さまに破片の掃除をお願いして触れないようにします。靴の中に破片が入っている可能性もあるので、お怪我などしないようご注意願います)。
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ドアスコープ選びのアドバイス
ドアスコープの交換を検討される場合、機能性、費用、交換の手間などは考えると思いますが、他にも来客頻度、家族構成、建物の種類(持ち家か賃貸物件か)なども含めて考えるようにしましょう。これまでのまとめ的な内容にもなりますが、ドスコープ交換時に参考にしてみてください。
光学式に交換する場合
●広角性能:視野角度はドアスコープで微妙に異なります。もちろん広ければ広い方がいいです。目安として、左右120度以上の広角レンズであれば、ドアの横に隠れるような不審な動きも捉えやすくなります。
●蓋付き:外部から見えないような蓋付きがいいでしょう。蓋だけでも単品で売っているので、プライバシー保護の観点から蓋だけは付けることをおススメします。
デジタル式に交換する場合
●Wi-Fi連携:光学式ではなくデジタル式のカメラタイプを選ぶ場合、Wi-Fi連携できるものがいいでしょう。ドアスコープ部分がカメラになっていても、ドアのところまで行ってモニターや映像を確認するのは少し面倒です。その点Wi-Fi連携していれば、玄関ドアに行かなくても確認ができます。さらにスマホと連動するモデルなら、外出中にチャイムが鳴ってもスマホで応対(フェイク応答)ができるため、空き巣対策としてとても有効です。
●電源の持ち:デジタル式ドアスコープが電池式の場合、どのくらいの期間(時間)持つか(例:単3電池で約半年など)も確認しておきましょう。電源の持ちが長いと交換頻度も少なく済みます。
賃貸物件に住んでいる場合
賃貸物件に住んでいる場合、ドアへの加工などはNGです。なので「被せタイプ」や「ドア上部引っ掛けタイプ」のデジタルドアモニターがもっとも手軽です。光学式の別のものに交換する場合は、既存のドアスコープを取り外してしっかりと保管しておき、退去時に元に戻せば問題ないでしょう。