
増加する合鍵を使った不正侵入
合鍵で玄関から堂々と中に入る犯罪者
合鍵を使った不正侵入の事件は、忘れた頃にニュースになったりします。
「怖いなぁ」とか「自分も気をつけなきゃ」と思う人もいる反面、まったく気にしなかったり他人事のように聞き流してしまう人もいるでしょう。
実際にはニュースになっていない、発覚していないだけで同じような犯罪は相当数あると思われます。
もしかしたら入居者本人が気付いていないだけで、一人暮らしをしている人の場合、すでに合鍵を作られていて不在時に侵入されている…といった現在進行形で不正侵入されているケースも考えられます。
部屋の中からなにかが無くなったり、誰かが部屋の中に入ったような形跡はありませんか? 他人事だとは思わず十分に気をつけてください。
そして、もし怪しい形跡があったらすぐに警察に相談してください。

ほとんどは女性の部屋への侵入
合鍵を使った不正侵入の目的の大半は「独り暮らしの女性」の部屋を狙った犯行です。強盗目的はほとんどありません。
強盗目的の場合、同じ部屋に何回も侵入することはないので合鍵を作る必要性がないからです。
その点、女性を狙った不正侵入をする犯人は自分の欲求を満たすために合鍵を使って何度も侵入するケースがほとんどです。
そのため玄関から入れる合鍵を使うのです。
合鍵を入手して、住んでいる女性が不在の時を狙って玄関の鍵を開けて部屋の中に入る…。
その行為自体は知らない人が見てもなんら怪しいところはありません。
「同居人かな?」とか「恋人かな?」、「親族の人かな?」程度にしか思わないでしょう。
鍵番号がわかれば鍵を作れる!
不正侵入の理由や犯罪目的はわかったけど「合鍵はどうやって作る」のでしょうか?
ディンプルキーが普及する前は、使っている鍵を街中にある鍵屋に持ち込んでその場で削って作ってもらう、というものでした。
昨今ディンプルキーが普及して使用率が高まった頃から、上記の合鍵作成の流れは減っています。
なぜなら街中にある鍵屋ではディンプルキーをその場で作成できなくなったからです!
街中にある鍵屋で作れるディンプルキーも多少はもありますが、それは本当に僅かです。
街中の鍵屋がディンプルキーを作れない理由としては
●物理的な問題:ブランクキー(削る前の元となる鍵)が入手できない
●技術的な問題:複雑で削れない、削るためのデータが無い)
上記2つの理由によります。
物理的な問題であるブランクキーが入手できない理由は、鍵メーカーが代理店や問屋などにも卸していない(販売していない)からです。
街中にある鍵屋で作れなくなった鍵が増えたことで増え始めたので「ネットで合鍵作成」するECショップです。
鍵に刻印された鍵のメーカー名と鍵番号がわかればネットで作成できるのです!
鍵に刻印された鍵番号はその鍵固有のもので、同じ鍵形状のものは存在しないのです。
なので刻印されている鍵メーカーに鍵番号を伝えれば、新品同様の同じ鍵が作れるのです(鍵番号で作成する鍵は新品同様の鍵なので、厳密には合鍵とは言えないでしょう)。
皮肉なことにメーカー純正の防犯性の高い鍵は店舗のある鍵屋に持ち込んでも作れませんが、ネットで作成を頼む場合はそういった防犯性の高い鍵でも作れるのです(逆に鍵メーカーの刻印がないコピーキーみたいな鍵はネットで作成できません)。
合鍵を作るのに持ち主から鍵を盗む必要はありません。「鍵番号」という数字とアルファベットが羅列した鍵の情報を入手するだけでいいのです。

侵入者が合鍵を作った実際の方法
2023年滋賀県で起きた事件は、21歳の男子大学生が同じ21歳の女性が一人暮らしをしている部屋に侵入して逮捕されました。
この男性は女性と同じアルバイト先で、女性の鍵番号を「盗み見て」ネットで鍵を作ったとのこと。
他の合鍵作成による不正侵入事件では、ポストの中にある鍵をのぞき込んで番号を知った例もあります。
2025年7月に起きた事件では、女性のアルバイト先の上司が女性が勤務中にロッカーにあった女性の鍵の番号を調べて合鍵を作成する、というケースもありました。
しかもこの犯罪者は、同じアルバイト先の上司だったため女性の勤務状況をシフトで確認して女性の出勤時(=家にはいない)を狙って忍び込んでいたようです。
「そんなに大切な鍵番号なんだから管理をしっかりできないの?」
と思うかも知れませんが、普通の鍵の場合には鍵番号と鍵の所有者が紐づいていないため、第三者が不正に鍵を作ろうとしても見破ったり防止する方法はありません。
合鍵作成に関する法的な規制もないため、鍵作成の注文をネットで受けて鍵を作る業者に本人確認の義務はありません。
自分で合鍵を作られないようにするしかないのです。
鍵は大切なものです!
鍵の扱いには注意しましょう
鍵番号がわかれば誰でも簡単に合鍵が作れることはわかったと思います。
なので鍵の扱いには十分注意するようにしましょう。
たとえば鍵を持った状態で撮った写真をSNSにアップするだけでも危険です。画像を拡大して鍵番号が判別できれば合鍵が作られてしまう可能性があるからです。
鍵番号がわかれば、鍵の形などで鍵のメーカー名は簡単に調べることができます。
「もし鍵番号がわかっても、家がわからなければ大丈夫」と思うかも知れません。確かにその通りです。鍵番号がバレて仮に鍵を作られてもその鍵を使える家、玄関がどこかわからなければ使い道はありません。
しかし現在のネット全盛の時代ではSNSなどの情報を調べまくって住所を特定される危険はあります。
SNSで住所や住んでいるエリアに関することを発信したり、背景などが写った画像をアップしただけで、そこから居住地が絞り込まれて最終的に住所がバレてしまう、といったケースもあり得るからです。
クレジットカードの番号が他人にバレてしまうと危険なのは想像がつくと思います。
金銭的な直接的な被害には結びつかないかも知れませんが、鍵番号の大切さはクレジットカードと同じと思ってください。
もし部屋に不正に侵入されることがあったら、金銭的な被害はなくても「精神的な被害」を受ける可能性はあります。しかも金銭的被害と違って精神的な被害はその内容次第では今後の生活に影響を及ぼす重いものになるかも知れません。
たかが鍵番号、ですが鍵番号はとても大切なものなのです。

鍵番号を守る方法
では鍵番号を守るにはどうすればいいでしょうか?
鍵番号を知られて合鍵を作られたり、不正侵入されないための対策案を以下にピックアップします。
対策を考えている人はぜひ参考にしてください。
1.鍵番号をシールやカバーで隠す
現在使っている鍵に対し、もっとも簡単で安価に対応できる方法が「鍵番号を見えないようにする」というものです。
鍵番号を隠せば、置いてある鍵の番号を盗み見られたりSNSで画像をアップしても鍵番号がバレないので安心です。
具体的には鍵番号が刻印されている部分をシールなどを貼って隠す、というものです。
シールは鍵番号さえ隠せればどんなものでも問題ありません。
鍵番号を隠すシールはネットで買うこともできるし、色やデザインなどお気に入りのシール形状のものを自分で用意して貼っても良いでしょう。
金属材質の鍵に貼るので、それなりに粘着性があって簡単に剥がれないものを選ぶようにしましょう。
ちなみに裏面のメーカー名の刻印は隠す必要はありません。

シールやキーカバーで鍵番号を隠すのは費用も安いし手軽な方法ですがデメリットもあります。
それはシールを剥がしたり、キーカバーを外せば鍵番号を見ることができることです。
そのため、(合鍵を作るために)鍵番号を知ろうとしている人が鍵に触ることができれば簡単に鍵番号を知られてしまう可能性があります。
実際に事件にもなりましたが、鍵をカバンの中に閉まっていても本人が不在の時や(事件にもあった)会社の人間に見られてしまうことがあります。
上記を防ぐには、面倒ですが鍵自体をしまうカバンやロッカーなどにも、第三者が開けられないような鍵を付けたりする必要があります。

可愛い動物のキーカバーは弊社の合鍵作成サイト「俺の合鍵」でも取り扱っています。
詳しくはこちらからご覧ください。
2.鍵番号を削って判読不能にする
鍵番号をシールやカバーで隠す方法は、鍵番号を「盗み見る」対策としては十分効果がある一方、「鍵を手に取って見られる」状況では効果がないこともわかりました。
ではそのような状況で鍵番号を守るにはどうすればいいでしょうか?
答えは「鍵番号を判読不能にする」ことです。
具体的には、刻印(鍵の金属部分に彫り込まれている)されている鍵番号をやヤスリなどで削ってしまう方法がいいでしょう。
手間はかかりますが、これなら鍵を手に取って確認されても判別されることはありません。
注意点としては以下2点。
●「鍵番号をどこかに控えておく」
●「確実に判読不能にする」
最初の鍵番号を控えておく、についてですが、これは自分が合鍵が必要になった際に鍵番号がわからないと作れないためです。
忘れないようにPCやスマホなどに記録しておくのもいいでしょう(※番号は間違えないように!)。
部屋が賃貸物件の場合、鍵も備品扱いなので退去時に返却が求められます。なので賃貸に住んでいる場合は、鍵番号を削って普段使いするように1本鍵を用意するのがいいでしょう。
入居時に貸与された鍵は、返却用にしっかり保管しておくことをおススメします。

これでは判読できちゃいます
3.実際に鍵番号を削ってみる
では実際の鍵を見ると、鍵番号はかなりしっかり刻印されているので削るのも大変そうです。
現在は使っていない古い鍵があったので、実際に鍵番号を削ってみることにしました。
まず削るためのヤスリですが、紙やすり系の材質ではとても削れそうになかったため、鉄工用のヤスリを用意しました。

細長く金属でできているヤスリです。
値段はピンキリですが、持っている人に借りるのが手っ取り早しでしょう。
これを使って鍵番号を削っていきます。

鍵番号が刻印されている部分はそれほど広い面積ではないので、先端部分を部分を使って丁寧に削ります。
ある程度削ったところで大丈夫そうに思えたのですが、刻印のため番号が彫られている深さまで削らないと番号が判読できてしまいます。
鍵番号の周囲に傷も残りましたが、さらに時間をかけて削っていきました。
その結果、刻印された鍵番号も判別できないようになりました。

英字の「A」っぽいところは文字の形で判別できそうですが、その他のところは判別できません。
これで鍵を作成される心配はないでしょう。
削った所要時間は5分程度でした。
力の入れ具合や使うヤスリの種類でも多少時間のズレはあると思いますが、だいたいこのくらいの時間で安心が手に入ると思えばまったく苦にならないレベルでしょう。
写真を見てわかるように、鍵番号は見えなくなりましたが、ちょっと傷が汚らしく見えて気になる方は、この削った鍵の上にシールやキーカバーでをすれば、傷も隠せるので良いと思います。
犯罪者が、キーカバーで隠された鍵を手にして番号を盗み見ようとしたら鍵番号まで削られて「なんだこりゃ!?」となるかも知れません。
現在使っている鍵をそのまま使いながら「鍵番号を守る」方法としては、この鍵番号を削ってしまう方法が最強と言えるかも知れません。
鍵番号がない鍵にしてしまう
鍵交換をして鍵番号のない鍵にする
そもそもシリンダーキーを使っているから鍵番号をあるわけで、鍵に鍵番号が刻印されていない鍵に交換するという方法もあります。
鍵に鍵番号がないので、鍵を見られても合鍵を作られる可能性はゼロです。
仮に一時的に鍵を持ち出されて鍵屋に鍵を持ち込んでも、作られることもありません。
有名なのはマルティロック(マルチロック)という鍵とロイヤルガーディアンです。
マルティロック(マルチロック)は中東のイスラエル製の鍵で、ロイヤルガーディアンは日本製です。
どちらも鍵に鍵番号の刻印がないことに加えて「防犯性の高さ」でも有名な鍵で、堅牢な鍵穴(シリンダー)はピッキングでの鍵開けはできないのはもちろん、破壊に対しても高い防御力を有します。
ちなみに合鍵を作成するには、マルティロック(マルチロック)は専用のオーナーカードや身分証の写真などが必要です。
鍵に鍵番号がないかわりに、鍵番号に相当する番号がオーナーカードに刻印されています。
ロイヤルガーディアンも似たシステムで、鍵交換時にもらう登録カードに専用の番号が刻印されています。
専用サイトにアクセスして登録カードの表面に刻印されたシリアル番号と裏面の拡張番号を入力して鍵登録をします。その後に任意の暗証番号を設定、暗証番号を忘れた時ようのリマインダ設定…などと続きます。
ちょっと登録が面倒そうではありますが、それだけセキュリティがしっかりしていると解釈することもできるでしょう。

マルティロックのキーヘッド表面にはロゴがありますが、裏面(下部写真)にも鍵番号はありません。

鍵に鍵番号の刻印がない鍵に交換することは、合鍵を作られないことと同時に防犯性の高い鍵に交換することでもあります。
他の鍵に交換するよりはコストは高めとなりますが、玄関の鍵は頻繁に交換するものでもなく、安心を購入するものと思えば検討する価値は十分にあると思います。
現在使っている鍵がマルティロック(マルチロック)やロイヤルガーディアンに交換できるか調べたり、交換検討したいけどまずは見積り無料で見にきてほしい、という方はお気軽にトラブル救急車【0120-99-364】にご相談ください。
お客様のご希望の日時に合わせて見積り無料で見に行きます!
登録制や二重認証の鍵に交換する
鍵に鍵番号の刻印はあるけど、その鍵番号だけでは合鍵が作れない(=合鍵を作られる心配がない)ものに交換する方法もあります。
例えば鍵メーカー最大手のMIWA(美和ロック)の「セキュリティ認証IDシステム」です。
これは、鍵に刻印された従来の鍵番号と鍵交換にもらえるセキュリティカードに刻印された認証ID番号の2つがわからないと合鍵を注文できないシステムです。

このMIWAのセキュリティ認証IDシステムと同じように、鍵番号だけでは合鍵を作れないようにしている鍵は増えています。
名称は微妙に違いますが、鍵とは別に専用カードがあり、そこに鍵番号とは別の番号が刻印されている、といったものです。
MIWA以外では、GOAL(ゴール)、ALPHA(アルファ)、Clavis(クラビス)、ティアキー(TIERKEY)、ロックマンジャパンなどが似たようなセキュリティシステムがあります。
ちなみに上記のうちGOALはカードではなく「セキュリティIDタグ」という名称のタグとなっています。
またドルマカバ(dormakaba)の特定の鍵に設定されているセキュリティシステムとして、鍵交換した場合はその持ち主が鍵所有者情報登録をメーカーのホームページからおこない、追加で合鍵を希望する場合も登録した情報をもとに注文する、というシステムになっています。
また、上記のような「勝手に合鍵を作られないような」セキュリティシステムは、それぞれのメーカーが自社のすべての鍵に設定しているわけではなりません。
なので、そういった鍵に交換したい場合は鍵屋さんなどに相談してみてください。
鍵を使わない電子錠にする
上記はシリンダー錠への鍵交換で合鍵作成されない方法でしたが、そもそも鍵を使わない鍵に交換する方法もあります。
それが電子錠やスマートロックなどといった鍵への交換です。
シリンダー錠とは円筒状のシリンダーと言われる鍵穴部分に鍵を挿して開錠や施錠をおこなうものですが、鍵を使わないので合鍵を作られることは皆無です。
最近は戸建ての新築の家だけでなく賃貸物件でも使われることが増えていて、目にしたことがある人も多いでしょう。
ここでは総称して「電子錠」としますが、電子錠と電気錠、スマートロックなどの違いについてはこちらのコラムで確認してください。
電子錠は合鍵を作られることはなく、ピッキングで開けられることもないため防犯性は総じて高いという特徴があります。
ただし電子錠にも当然デメリットはあります。
前述したコラム「電子錠のメリットとデメリットは?」の中で詳しく説明しているので、気になる方はそちらを参照願います。
電子錠~特に最近のスマートロックは、鍵メーカー以外の業種からの参入も多く実に様々なものが出ています。
初期のスマートロックは両面テープが剥がれて滑落したり、テンキーが反応しない・スマホで操作できなくなった、などの不具合が減ってきていて、利便性がアップしています。
デメリットなどを考慮しながら、鍵交換する際には選択肢に含めて良いでしょう。
繰り返しになりますが、鍵を使わないで開け閉めする電子錠は合鍵を使って不正に部屋に入られる、という犯罪に対しては完璧に防ぐことができます。

鍵交換後の注意事項
鍵番号を守るための鍵交換について説明しましたが、どんなに防犯性の高い鍵に交換したとしても鍵自体を盗まれたり紛失してしまっては意味がありません。
くれぐれも注意してください!
もしも鍵の盗難や紛失に気付いたら、すぐに警察に連絡しましょう。その後で(痛い出費にはなりますが)新たに鍵交換するようにしてください。
また電子錠に交換した場合は紛失や盗難の心配はありませんが、テンキーなどの暗証番号で開け閉めしている場合には番号を盗み見されないようにしてください。
すぐ近くにいなくても、遠方から望遠などで見ることはできるので、ダミー番号を入力するタイプや斜めから見えないタイプ、ランダム式テンキー(毎回番号が変わる)などの機能があるものにする方が良いでしょう。
スマートフォンで開け閉めしている場合でも、スマホの電波をハッキングしたり、車のイモビライザー付きの車を盗む手口で騒がれた「リレーアタック」で不正開錠される可能性はあります。
リスクとしては低くても、上記のような可能性があることはしっかり理解しておいてください。
