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あまり耳にすることがないかも知れませんが、防犯のことを説明する際にはよく耳にする「補助錠(ほじょじょう)。文字通り、玄関や窓などに付いている既存の鍵(主錠)とは別に、防犯性を高める目的で後付けする追加の錠前のことを補助錠と呼びます。


単純に鍵の数が増えれば防犯性が高まるのは想像が付きますが、本当に必要なのでしょうか? また補助錠を取り付ける際に基準や目安となるものはあるのでしょうか? 料金はどのくらいで付けられるのか? そのあたりを説明していきます。

 

侵入の「時間を稼ぐ」

ここ数年、トクリュウ(匿名流動型犯罪グループの略)による押し入り犯罪が増えています。手口も荒く、これまでの空き巣を狙った強盗ではなく、家の中に住人がいる時間帯に押し入って強盗、拉致監禁などして金品を強奪します。その手荒さで何人も死傷者が出ています。


トクリュウは無施錠のところから入るのではなく、施錠された鍵を壊したらり、窓ガラスを割って侵入します。防犯ガラスは種類によって本当に「割れないガラス」もありますが、壊されない鍵はなかなかありません。なので「簡単に壊れない鍵」だったり「複数の鍵」を付けていることで、家の中に入る時間を遅らせることができます(空き巣に対しては時間がかかると思わせて侵入を諦めさせる効果も期待できます)。


時間を少しでも稼ぐことができれば警察の到着が間に合うかも知れません。「時間をかけさせる」ことは大きな意味があるのです。

玄関ドアに3つの鍵

 

1ドア2ロック

1つのドアに2つ以上の鍵を付けることを「1ドア2ロック(ワンドアツーロック)」と言います。不正侵入に対して「時間をかけさせる」ことと「(侵入に時間がかかることで)諦めさせる」効果が見込めると言われています。最近の玄関ドアに多く採用されているプッシュプル錠は、ドアの開閉時の利便性に加えて縦長のハンドルの上下部分に鍵がある1ドア2ロックになっているものがほとんどで、利便性と防犯性を兼ね備えています。


ちなみに1月26日は「1ドア2ロックの日」です。2012年に日本最大の錠前メーカーである美和ロック株式会社が「住宅の玄関ドアや勝手口のドアに補助錠を設置して防犯強度を高めるため」1月26日を1ドア2ロックの日として制定し、日本記念日協会が認定しました。そこから1ドア2ロックという言葉は一般の人にも広く知られるようになったと言えます。


「1ドア2ロックなんて錠前メーカーや鍵屋が売上を増やすために広めたんでしょ!?」といったうがった意見もありますが、その真偽はともかく、防犯効果は確実にあります。最近ではプッシュプル錠で最初から鍵が2個付いているドアに、3つめの鍵を付けるケースもあります。

 

補助錠が必要とされる理由

前述した1ドア2ロックの玄関ドアは最近増えてきたとはいえ、まだまだ1ドア1ロック(ドアに1個の鍵が付いている)の建物は多いです。そういう建物や玄関ドアなどに追加で鍵を取り付ける「補助錠」はおススメです。また、1ドア2ロックでもその鍵が防犯性の低いものであれば、2ロックの効果は見込めません。たとえば、簡単にピッキングで開けることができるディスクシリンダーが付いていたら、1箇所1分程度で開けることができるので、2ロックを開けるのも3分かからずに開いてしまいます。そのような鍵であれば、1ロックでディンプルキーが付いている方が防犯性能は高いです。


戸建ての古い住宅の場合、1個しか付いていない玄関の鍵は防犯性が低い鍵が付いていることが多いです。1個しか付いてない鍵で防犯性が低い(前述したディスクシリンダーのような簡単に鍵穴から開けられてしまう鍵)だった場合には、早急に補助錠を取り付けるか、今ある鍵を防犯性の高い鍵に交換してください。費用面を考えなければ、今ある鍵を交換してかつ新規で補助錠を取り付けるのが防犯面から見た場合には最善でしょう。

ディスクシリンダーキーの2ロック

 

 

補助錠取付け時の注意点

費用はかかりますが、補助錠を取り付けることで防犯対策になることはわかったと思います。では実際に補助錠を取り付けるするにはどのようにすればいいのでしょう?


【取り付ける補助錠の選定】
補助錠を取り付けることを決めたら、どのような補助錠にするかをある程度決めましょう。基本的には料金や防犯面などを考慮しながら決めるのが良いでしょう。

 

【取付けは誰がやるのか】
鍵屋など業者に頼むのか、DIYで自分で取り付けるのか、知り合いに頼むのか、などを決めます。もちろん鍵屋などに頼むと費用は高くつきますが、確実です。どんな補助錠が良いか、などのアドバイスを聞きながら取り付ける補助錠を選ぶこともできるメリットもあります。対して自分で取り付けたり知り合いに頼む場合、費用は安く済みます。ある程度器用な人なら、ネットで情報を探しながら取り付けることもできるでしょう。どちらが良いかは自分で判断してください。
ただし客観的な意見として、補助錠など新規で鍵を取り付ける場合、お金はかかりますが鍵屋に頼んだ方が良いと思います。大切な鍵を付ける以上、確実に取り付ける必要があるからです。実際トラブル救急車にも自分で鍵を付けていたんだけど、途中でギブアップした人から助けを求めるお電話をいただきます。なんとか自分で付けることができても、その補助錠がしっかり取付けできてなかった場合、鍵開けや施錠時のエラーが起こることもあります。そうなると結局鍵屋を呼ぶことになるかも知れません。鍵交換ならDIYでやってもいいですが、補助錠の取付けの場合、取り付ける鍵によってはドアや受け側に穴を開けたりする加工作業が必要な場合もあるため、鍵のプロにまかせたほうが良いと思います。

 

【建物の所有者は?】
賃貸物件の場合、加工が必要な補助錠を勝手に取り付けることはできません。事前に管理会社に了承をもらうか管理会社経由で付けてもらう流れになります(拒否される可能性もあります)。もちろん戸建てや分譲マンションなどであれば、所有者が自分なので補助錠を取り付けるのも自由です。許可をとる必要はありません。
賃貸物件でもドアや受け側に加工などがいらない、簡易的な鍵を付けるのであれば問題はありません。内見用に使われる簡易錠なども、加工が不要な鍵で人気があります。興味がある人は、自分でいろいろ探してみてください。

 

 

補助錠の種類

次に具体的にどのような補助錠があるか紹介していきます。
基本的に、補助錠=玄関に取り付ける補助の鍵、というイメージがありますが、窓(サッシ)に取り付ける補助錠もあります。ここでは、その2つについて説明していきます。

 

「ドア用補助錠」

取付け時の加工作業の有無

ドア用補助錠は文字通り玄関ドアや勝手口など「人が出入りする」ところに付ける鍵です。室内ドアは防犯性を高める必要がないため、ドアに付ける補助錠=玄関や勝手口、通用口などと思っていいでしょう。


このドア用補助錠もわかりやすく以下の2つに大別できます。
1.加工作業あり
2.加工作業なし

1つは既存の主錠などのように外からも中からも施錠・開錠ができる鍵です。シリンダー錠(鍵穴タイプの鍵)を追加で付けたり、面付錠(室内側に錠ケースを取り付ける)を付ける場合がこれにあたります。ドアや受け側に穴を開けたり加工が必要なため、取付け工事は時間もかかって簡単ではないですが、ピッキングや破壊開錠などの不正開錠に強く、防犯性はもっとも高いです。取付け部品の選定や取付け工事などを考えると、この補助錠を取り付ける場合は専門知識がある鍵屋などにお願いした方が良いと思われます。

 

もう1つは簡易錠と言われる補助錠です。ドアなどに加工も不要で、専門的な知識がなくても取り付けることができるものがほとんどです。なので賃貸物件でも問題なく取り付け可能です。部屋を退去するときに簡単に取り外しできて傷も残りません。簡易錠的な補助錠は構造もシンプルなものが多く、ホームセンターなどで手に入ります。総じて料金もリーズナブルです。


また簡易錠的な補助錠は、外側もしくは内側から施錠・開錠するものがメインです。外からも中からも施錠できるようなものは、ドアに加工が必要なことが多く「加工作業あり」の補助錠になります。

 

ちなみにネット上で補助錠を検索すると、サイトによっては電子錠やスマートロック、リモコン錠、ディンプル錠などが紹介されていることがあります。これらは前述した「1.加工作業あり」に分類されるものでしょう。これらの鍵を補助錠として新規で取付けるためには、加工作業が必要だからです。既存の鍵をスマートロックにする、などといった場合には補助錠を取り付けるのではなく、鍵交換作業となります。

 

加工作業ありの補助錠

玄関ドアに加工作業をして増設する補助錠は、ドアの厚さや材質、形状(右開きか左開きかなど)でも取付けできる鍵は異なります。さらにメーカーや補助錠の種類もとても多くがあり、その鍵によって当然料金も異なります。一般の人はどの補助錠を選べばいいかなんて選びきれないでしょう。


そこで当店(トラブル救急車)の作業員がよく使っている補助錠をいくつかピックアップしてきます。防犯性も高く取付けもさほど難しくなく、鍵屋が推奨する補助錠と思っていいでしょう。

・MIWA NDZ

・GOAL MDU

・KAKEN KXR-ED4N(安心錠)

・FUKI スリムロック

・ALPHA FB10AAR

MIWAのNDZ

 

家研の安心錠

FUKIのスリムロック

 

現場で加工して取付けることになる補助錠ですが、ドアの中に収まっている錠ケースのように、ドアの中をくり抜くような作業はしません(作業的かつ強度の問題など)。ほとんどは「面付錠」となります。面付錠はドアの内側表面に取り付けるため、作業も難しくなく、かつ面付錠のメリットであるバールなどを使ってこじ開ける不正開錠に強い、という特長もあります。作業的にはドアに面付錠を取り付けるためのネジ用の固定穴を開けて、そこに固定用台座を取付けてから面付錠本体を固定することになります。補助錠で取り付ける面付錠のほとんどは、ドアに小さな穴は開けることになりますが、それ以外の箇所に穴を開けたり加工はしないで取付けが可能です。


さらに鍵穴(鍵を入れて施錠開錠するシリンダー部分)もいくつか種類があり、新規で補助錠を取り付けるなら防犯性が高く使い勝手のよいディンプルキーなどにすることをおススメします。補助錠として後付けする以上、ピッキングで簡単に開けられてしまう鍵穴は意味がありません。

 

加工作業ありの補助錠を取り付ける費用も気になると思いますが、DIYで自分でやるのか鍵屋など業者に頼むかで金額はかなり違います。前述したように、加工作業は専用の工具や経験などがないと失敗する可能性もあり、ドアなどに穴を開けたりする以上、大きな失敗は避けたいところです。なので鍵屋など専門業者に頼んだ方がいいと思います。トラブル救急車で加工作業ありの補助錠を新規で取付ける場合の料金は、22,000円~(税別)となります。これには基本出張料や作業代が入っていますが、部品代(補助錠の代金)は別途なので、取り付ける補助錠で部品代は変わります。またこの金額自体も作業代で変動します。現場での加工・調整作業がどの程度になるかで作業内容が大きく変わってくるからです。なので作業時間も1~3時間と様々です。早朝や夜間などの時間帯をのぞき、トラブル救急車では補助錠取付け作業は基本的に見積り無料で見に行きます。そこで取り付ける箇所や部品ごとに正確な料金を提示して、その作業内容および料金に了承いただけたらその場ですぐに作業を開始します。


上に挙げた5つの面付錠は、補助錠として人気のあるものです。特にKAKEN KXR-ED4Nは「安心錠」と呼ばれるもので、補助錠としてかなり有名です。鍵屋ならこの5種類のうちのいずれかは常備在庫していることも多く(現場状況にもよりますが)、当日その場で取付けることができる可能性は高いでしょう。

面付補助錠の取付け作業

面付補助錠の取付け完了

 

加工作業なしの補助錠

加工作業なしで取付けられる補助錠は、賃貸物件を取り扱う管理会社や不動産会社が頻繁に使っています。具体的には、空室の内覧用に玄関ドアの外側に取り付けて、内覧や内見でやってきた同業者に鍵を開けるための番号を伝えて都度開け閉めしてもらう、といっら使い方です。


簡易的な補助錠は、すぐに取付けてすぐに取り外すことができます。なので錠前や鍵というより「建具金物」といったほうが伝わりやすいものが多い傾向があります。実際これら簡易簡易錠は、錠前メーカーではない会社が販売しているものがほとんどで、いろんな種類があります。

 

・NLS らくらくロック

・NLS ドアジョイナー

・NLS おでかけロック

・ガードロック ぼー犯錠

・ガードロック 物件管理ロック

 

上記は加工作業なしで取付けできる簡易補助錠の代表的製品です。専門知識がなくても簡単に取付けできるうえに、ネットでの購入はもちろん主要なホームセンターで購入できるものもあります。料金も数千円程度のものが多く、費用面でも気軽に試すことができます。

 

 

NLSらくらくロック

NLSドアジョイナー

ガードロック ぼー犯錠

 

「窓用補助錠」

一戸建てでは要検討

窓用補助錠は窓やサッシに取り付ける補助錠です。マンションの高層階に住んでいる人はあまり意識しなくても良いですが、一戸建てやマンションやアパートなどの集合住宅の低層階(1階や2階)に住んでいる人は、窓用補助錠の設置や既存のクレセント錠の交換を検討しみるべきでしょう。なにしろここ数年、警察庁や日本防犯設備協会が公開しているデータでは、一戸建ての侵入被害時は半分以上が「窓」からとなっているのです。玄関やその他の出入り口は防犯意識の高まりや鍵自体の防犯性アップもあり、侵入が困難だったり時間がかかることがわかっています。その点、窓部分の防犯対策はまだまだ進んでいないことを示す数値でもあります。

クレセントを開けて侵入

 

ガラスでの防犯対策

 

窓の防犯対策は「割られない」対策より「サッシが簡単に開かない」対策をしてください。費用面など度外視して対策するのであれば、ガラス自体に強度がある防犯ガラスに交換するのがもっとも効果があります。


防犯ガラスはメーカーや種類にもよりますが、2枚のガラスの真ん中に中間層があり、ガラスが割れるのを物理的に防ぎます。ガラス代や施工費用は高額になるので、気になる方は一度見積りを取ったりネットで調べてみてください(日本の防犯ガラスのシェアはAGCと日本板硝子の2社がダントツです)。


ガラス自体の強度はないですが、防犯フィルムも効果はあります。具体的には窓ガラスの内側に350ミクロン(0.35mm)の防犯フィルムを貼ることで、窓ガラスは割られてもガラスが飛散しないので、こじ破りや打ち破りを防いで時間をかけさせることができます。

ガラスによる防犯対策

 

人気の窓用補助錠

 

・ノムラテック ウインドロック

・NLS ファスナーロック

・ガードロック 窓・ぼー犯錠

・家研販売  CUK-800

 

窓の補助錠は、加工なしで取付けできるものがほとんどです。機能も似ていて、サッシが開かないよう「ストッパー」的なものが大半です。
窓・サッシからの侵入は、ガラス全体を割ってそこから入るのではなく、窓が開かないように閉められているクレセント部分のガラスだけを割ったり焼いたりして穴を開けて、クレセントを開けて「サッシを開けてから」侵入するからです。なのでクレセントのほかに、サッシの下部分や上部分にストッパー的な役割を持つ補助錠を付けることで、手間をかけさせることができるのです。

NLSファスナーロック

ノムラテック・ウインドロックZERO

CUK-800

 

上で紹介したKAKEN(家研販売)の「CUK-800」は鍵付きのクレセント(鍵2本付き)です。増設して取り付ける補助錠ではありませんが、既存のクレセントを交換して取り付ける防犯対策としての人気の交換用クレセントです。外出時に施錠することで、クレセントが操作できなくなるためクレセント部分のガラス割られてもサッシが開けられることがありません。ネットはもちろん一部ホームセンターでも購入することができます。

 

補助錠のデメリット

補助錠を付けることで防犯効果は確実に高まりますが、補助錠のデメリットや補助錠を取り付ける際に検討すべき懸念事項もあります。

1)コスト
 補助錠本体だけでなく鍵屋など専門業者に頼んだ場合は作業代もかかります。

2)補助錠を操作する手間が増える
 既存の鍵だけでなく、新しい鍵が増えるため、それを施錠・解錠する手間が増えます。

3)施工
 取り付けたい補助錠があっても、ドアなどの材質によっては取付け不可だったり、賃貸物件で加工NGの場合には取付けできる補助錠が限られます。DIYで施工した場合、不具合があったらその後に余計な手間がかかる可能性もあります。

4)補助錠の鍵トラブルの可能性
 鍵を紛失したり、鍵が開かない、壊れた、などの鍵トラブルは当然ながら補助錠でも起こる可能性はあります。通常の鍵に追加で取り付けるため、鍵トラブルが起きて鍵屋などに対応を頼むことになるリスクは高くなるでしょう。

 

補助錠で防犯効果は確実にアップします!

ドア用、窓用に限らず補助錠は防犯対策には効果があるのは確実です!


ただし補助錠でどこまでの効果があるか、などは現在の自分が住んでいる家や部屋の環境や現在の状況などでも変わります。補助錠がなくても最初から防犯機能が高い鍵や設備が備わっていれば、補助錠を増設する必要はあまりないでしょう。前述したデメリットなども考慮しながら、補助錠の取付け・設置、どの補助錠を付けるかを検討してみてください。

 

補助錠取付けの相談など、鍵屋の専門的なアドバイスを希望する場合は相談してみるといいでしょう。トラブル救急車では補助錠の新規取付けなども、見積り無料で見に行きます。現場で鍵に詳しい作業員にいろいろ相談してみてください。